Vtuber界隈のユニコーンとは?由来・心理・ホロコーン問題も解説

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Vtuber界隈のユニコーンとは?その意味と由来

「Vtuberの配信を見ていると『ユニコーン』って言葉をよく聞くけど、一体どういう意味なんだろう?」

「『vtuber ユニコーン とは』で検索してみたけど、いまいちピンとこない…」

そんな疑問をお持ちのあなたへ。この記事では、Vtuber界隈で使われるユニコーンという用語について、その意味や由来・語源から、関連する様々な事象まで、分かりやすく解説します。

なぜ一部のファンはユニコーンと呼ばれるのか、その心理や独占欲の背景にあるものは何なのでしょうか? かつての処女厨のファンとの関連性や、ガチ恋との違いについても詳しく見ていきます。

また、ユニコーンが多いVtuberにはどんな特徴があるのか、ホロライブで聞かれる「ホロコーン」とは何なのか、過去にあった炎上事例や、具体的な異性Vtuberとの絡みNG事例にはどんなものがあるか?も紹介します。

時には気持ち悪いとも言われてしまうユニコーンファンですが、その行動が厄介ファンと見なされる特徴や、ユニコーン問題はどのようにコミュニティに影響を与えているか?という側面も無視できません。Vtuber側が行うことがあるユニコーン営業や、問題への対策、界隈の恋愛禁止ルールの現状にも触れていきます。

なんjまとめなどで見かけるネットミームとしての側面や、ユニコーンスレイヤーとは具体的に何を指すのか?といった関連用語も含め、この記事を読めばvtuberのユニコーン とは何か、その全体像が掴めるはずです。

記事のポイント
  • Vtuberユニコーンの基本的な意味、由来、語源
  • ガチ恋や処女厨との違い、関連性
  • ユニコーンファンの心理、具体的な問題行動、厄介ファンとされる特徴
  • Vtuberやコミュニティへの影響、及びVtuber側の対策や営業
  • ユニコーンの意味・用語解説
  • なぜ?ユニコーンの由来と語源
  • ネットミームとしてのユニコーン
  • Vtuber界隈の処女厨との関連は?
  • ユニコーンとガチ恋との違い
  • ユニコーンファンの心理と独占欲

ユニコーンの意味・用語解説

Vtuberの世界で「ユニコーン」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんね。これは主に、推している女性Vtuberさんが異性(男性Vtuberや、場合によっては性別不明の視聴者も含む)と交流することに対して、極端に嫌悪感を示したり、拒絶したりする一部の男性ファンを指して使われるネットスラングです。伝説上の生き物であるユニコーンが持つ「純粋さ」や「処女性」のイメージになぞらえて、推しにそういったものを過剰に求めるファンを揶揄するような意味合いで使われ始めたと言われています。

具体的には、男性Vtuberとのコラボ配信が決まっただけで強い不快感を示したり、配信中に男性の名前が出ただけでコメント欄で騒いだりするような行動が見られます。ひどい場合には、配信外での交流に対しても否定的な意見を表明することもあります。彼らはしばしば高額なスーパーチャット(スパチャ)を送るなど、熱心な応援を見せる一方で、ひとたび自分の理想と違う行動を推しが取ると、強い拒否反応を示すことがあるのです。この状態を「角が折れる」や「発狂状態」と表現することもあります。

また、「ユニコーン」を略して「コーン」と呼んだりすることもあります。この用語は、Vtuberやそのファンコミュニティの中で、特定のファン層の行動や心理状態を指す言葉として定着していますが、使う場面や文脈によっては相手を侮辱するニュアンスを含むことがあるので注意が必要です。

ユニコーンって、あの角がある動物のこと?

ネットでは、Vtuberの女性に異性との関わりを嫌がるファンのことを指すのよ!

なぜ?ユニコーンの由来と語源

Vtuberユニコーンの由来と語源

「ユニコーン」という言葉が、なぜVtuberファンダムで特定のファンを指すようになったのでしょうか。その由来は、古くからヨーロッパの伝承に登場する伝説の生き物「ユニコーン」そのものにあります。ユニコーンは、非常に獰猛で力強い生き物とされていますが、唯一、純粋な乙女(処女)の前でだけは大人しくなり、その膝の上で眠ると伝えられています。この伝承から、ユニコーンは「純粋さ」や「貞淑」「処女性」の象徴として描かれてきました。

このイメージが、現代のVtuberファンの一部に重ね合わされたのです。つまり、推しの女性Vtuberに対して、あたかも伝説の乙女に対するユニコーンのように、「純粋であってほしい」「穢れのない存在であってほしい」と強く願う心理が働いていると見なされたわけです。特に、異性との交流を「穢れ」と捉え、それを頑なに拒絶する姿勢が、この伝承と結びつけられ、「ユニコーン」という呼称が広まったと考えられます。

元々、アイドル文化やオタク文化の中には、タレントやキャラクターに対して「処女性」を求めるファン層(かつては「処女厨」などと呼ばれていました)が存在しました。「ユニコーン」という言葉は、そうしたファン層を、伝説の生き物のイメージを借りて表現した、比較的新しいネットスラングと言えるでしょう。その語源には、推しへの強い理想化や、ある種の神聖視のような心理が背景にあると考えられます。

どうして“ユニコーン”って名前なの?

純粋な乙女にしか懐かない伝説の生き物が由来で、推しに純粋さを求める姿と重なるの。

ネットミームとしてのユニコーン

ユニコーンのネットミーム

「ユニコーン」という言葉は、単に特定のファン層を指すだけでなく、Vtuber界隈における一種の「ネットミーム」としても機能しています。ネットミームとは、インターネットを通じて人々の間で急速に広まり、共有される行動、概念、フレーズなどのことです。「ユニコーン」も、Vtuber文化が発展し、ファンコミュニティが拡大する中で、様々な議論やネタと共にネット上で拡散され、定着していきました。

例えば、ファン同士が互いを揶揄しあう際に「お前ユニコーンかよ」といった形で使われたり、Vtuber自身が配信のネタとして「ユニコーンおじさん、見てるー?」のように言及したりすることもあります。また、特定のVtuberのファン層について語る際に、「あの人はユニコーンが多い」といったレッテル貼りとして使われることもあります。人気Vtuberである犬山たまきさんが、ユニコーンの生態について解説する動画を投稿するなど、公の場で分析や議論の対象となることも、ミーム化を後押ししています。

このように、「ユニコーン」という言葉は、元々の意味から派生して、Vtuber界隈特有の現象や、ファンコミュニティ内の力学、時として問題点を象徴するキーワードとして、多様な文脈で使われるようになりました。そのため、単語の意味を一義的に捉えるのではなく、それがどのような状況で、どのような意図を持って使われているのかを理解することが重要になります。時にはユーモラスに、時には批判的に、様々なニュアンスを含んで流通しているのが、ネットミームとしての「ユニコーン」の現状と言えるでしょう。

ユニコーンってネタにもなるの?

うん、Vtuberが配信でいじったり、ファン同士で冗談交じりに言い合ったりもするよ!

Vtuber界隈の処女厨との関連は?

Vtuber界隈の処女厨

Vtuber界隈で使われる「ユニコーン」という言葉は、かつてのオタク文化で使われていた「処女厨(しょじょちゅう)」という言葉と、非常によく似た意味合いで使われることが多いです。実際、「ユニコーン」は「処女厨」の現代的な言い換え、あるいはその一種と見なされることも少なくありません。

「処女厨」とは、文字通り、女性アイドルやアニメ・ゲームの女性キャラクターなどに対して、「処女であること」を非常に重要視し、それに強くこだわるファンを指す言葉でした。異性との交際経験があることや、それを匂わせるような言動に対して、強い嫌悪感や怒りを示す傾向がありました。

この「処女厨」が持っていた心理や行動様式と、Vtuber界隈の「ユニコーン」が示す特徴は、多くの点で共通しています。どちらも、推しの対象に対して「純粋さ」や「無垢さ」といった理想像を強く投影し、異性の存在をその理想を汚すものとして拒絶する傾向があります。Vtuberは、二次元的な「ガワ」(アバター)を持ちながらも、中の人(魂)は生身の人間であるという特殊な存在です。このため、キャラクター的な純粋さを求めやすい一方で、中の人のリアルな人間関係が透けて見えてしまう可能性もあり、そこに「処女厨」的な思考を持つファンが反応し、「ユニコーン」として顕在化しやすい側面があるのかもしれません。

言葉の響きとしては、「ユニコーン」の方が「処女厨」よりも若干ファンタジックで、直接的な表現を避けているように感じられるかもしれません。また、ネットミームとして広まる過程で、より多様な意味合いを含むようになったとも言えます。しかし、その根底にある「推しに処女性や純粋さを強く求める」という思想においては、両者は密接に関連している、あるいはほぼ同じものを指していると考えて良いでしょう。

“処女厨”って昔も似た人いたの?

うん、アイドルとかに“清純”を求めるファンがいて、今はそれが“ユニコーン”って呼ばれてる感じ!

ユニコーンとガチ恋との違い

ユニコーンとガチ恋

「ユニコーン」と「ガチ恋」、どちらもVtuberに対する強い思い入れを持つファンを指す言葉ですが、意味合いには違いがあります。ただし、両者は完全に別のものではなく、重なり合う部分も多いため、明確に区別するのは難しい場合もあります。

「ガチ恋」とは、文字通り「本気で恋愛感情を抱いている」状態のファンを指すことが多いです。推しのVtuberを異性として強く意識し、恋人のように思っていたり、本気で付き合いたいと考えたりしています。もちろん、単に「一番の推し」という意味で、親しみを込めて「ガチ恋勢」と自称するライトなファンもいますが、基本的には恋愛感情が核にあると言えます。

一方、「ユニコーン」は、前述の通り、推しの女性Vtuberが異性と関わることを極端に嫌がるファンを指します。その根底に恋愛感情がある場合もありますが、必ずしもそうとは限りません。恋愛感情がなくても、「推しには純粋でいてほしい」「アイドルとしてファンだけを見ていてほしい」といった理想像への強いこだわりから、異性の存在を拒絶するケースも含まれます。つまり、ユニコーンの主眼は「異性排除」にあると言えるでしょう。

このため、「ガチ恋勢であり、かつユニコーンでもある」というファンは多く存在します。恋愛対象として見ているからこそ、他の異性の存在を許せない、という心理です。しかし、逆に「ガチ恋勢だけど、ユニコーンではない」というファンもいます。彼らは推しに恋愛感情を抱きつつも、「推しが幸せならそれでいい」「プライベートは別」と考え、異性との交流にも一定の理解を示すことがあります。

また、使われ方のニュアンスにも違いがあります。「ガチ恋」は、ファン自身が愛情表現として使うこともあり、必ずしもネガティブな意味だけではありません。しかし、「ユニコーン」は、多くの場合、他のファンやVtuber自身から、やや否定的な意味合いや、揶揄するような文脈で使われる傾向があります。特に、過激な言動や迷惑行為を繰り返すガチ恋勢が、「厄介なユニコーン」として批判されることもあります。

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ガチ恋とユニコーンってどう違うの?

ガチ恋は恋してるファン、ユニコーンは恋心がなくても異性NGって思ってるファンもいるんだよ!

ユニコーンファンの心理と独占欲

ユニコーンファンの心理

ユニコーンと呼ばれるファンの行動や思考の背景には、どのような心理が働いているのでしょうか。その根底には、推しのVtuberに対する強い「独占欲」や、自分の中で作り上げた「理想像」への固執があると考えられます。

彼らにとって、推しのVtuberは単なる配信者ではなく、特別な存在です。疑似的な恋愛感情を抱いている場合もあれば、清純なアイドルや手の届かない偶像として神聖視している場合もあります。どちらにしても、「自分だけのもの」「ファンのためだけの存在」であってほしいという強い願望が、独占欲となって表れるのです。この独占欲が強いほど、他の異性の存在は「自分の特別なものを奪う脅威」として認識され、強い拒絶反応に繋がります。

また、彼らはしばしば、自分なりの「理想のVtuber像」を持っています。「ファン思いで、いつも笑顔で、清らかで、異性の影など全くない」といったような理想像です。Vtuberがその理想から少しでも外れるような言動(特に異性との交流)をすると、「裏切られた」「自分の理想を壊された」と感じてしまい、強い失望感や怒りを覚えることがあります。これが、いわゆる「角が折れた」状態であり、時には攻撃的な言動に繋がることもあります。

高額なスパチャを送るなど、多額のお金を使っているファンの中には、「自分がこれだけ支えているのだから、自分の言うことを聞いてほしい」「自分の理想通りに行動してほしい」といった、一種のコントロール欲求を持つ人もいるかもしれません。これは、Vtuberとファンの健全な関係性を歪めてしまう可能性があります。

過去のオタク文化に見られた「俺の嫁」のような思考様式や、現実世界でのコミュニケーションに対する苦手意識が、Vtuberという存在への過度な依存や理想化を生み出し、結果としてユニコーン的な心理状態に繋がるという側面も指摘されています。彼らは、推しのキャラクター性や、自分が信じている神秘性が損なわれることを、何よりも恐れているのかもしれません。

どうしてそこまで独占したいの?

自分だけの存在でいてほしいって思いが強すぎて、他の人の存在を脅威に感じちゃうんだよ。

Vtuberのユニコーンとは?問題点と特徴

  • ユニコーンが多いVtuberの特徴
  • ホロライブの炎上とホロコーン
  • 異性Vtuberとの絡みNG事例紹介
  • 厄介ファンとしてのユニコーンの特徴
  • ユニコーン問題のコミュニティへの影響
  • Vtuber側のユニコーン営業と対策

ユニコーンが多いVtuberの特徴

ユニコーンが多いVtuber

Vtuberさんを見ていると、「この人にはユニコーンファンが多いかも?」と感じることがあるかもしれません。実際、ユニコーンと呼ばれるファンが集まりやすいVtuberさんには、いくつかの共通した特徴が見られることがあります。

まず、やはり女性のVtuberさんである場合が多いです。特に、アイドル的な活動(歌やダンスの配信、ファンへの愛嬌のある振る舞いなど)をメインにしている方は、ファンが理想のアイドル像を投影しやすく、結果としてユニコーンファンも集まりやすい傾向にあります。ファンとの距離感が近く、まるで恋人のように接してくれる、いわゆる「ガチ恋営業」と呼ばれるようなスタイルを取っている場合も、同様の傾向が見られます。

また、事務所の方針や本人の意向として、デビュー当初から異性(特に男性Vtuber)とのコラボレーションをあまり行ってこなかった、あるいは意図的に控えてきた経緯がある場合も、異性との交流を好まないファン層が自然と集まりやすくなります。

キャラクターデザインが非常に魅力的で、いわゆる「可愛い」「綺麗」といった要素が強い場合も、ファンがその外見に強い理想を抱き、内面にも純粋さなどを求めてしまう…という流れに繋がりやすいかもしれません。

もちろん、これらの特徴があるからといって、必ずしもユニコーンファンが多いとは限りませんし、それが悪いことだというわけでもありません。ただ、こういった傾向があることを知っておくと、Vtuber界隈のファン文化を理解する上で役立つかもしれませんね。

どんなVtuberにユニコーンって集まるの?

アイドル系で異性コラボが少ない子とか、恋人みたいに接してくれる子は集まりやすいかな〜

ホロライブの炎上とホロコーン

炎上とホロコーン

大手Vtuber事務所である「ホロライブプロダクション」の名前を聞いたことがある人も多いでしょう。ホロライブには多くの人気女性Vtuberが所属しており、そのファンの中には、特に「ホロコーン」と呼ばれる人たちがいます。これは、「ホロライブのユニコーンファン」を略した言葉で、所属Vtuberに対して異性との交流を極端に嫌がる層を指すことが多いです。

ホロライブは、設立初期の頃から女性Vtuberを中心に展開し、アイドル的な売り出し方をしていた側面があります。そのため、異性とのコラボが比較的少なく、結果としてユニコーン的な思考を持つファンが集まりやすい環境だったのではないか、と指摘されることがあります。実際、過去には所属Vtuberさんが男性Vtuberとコラボ配信を行った際や、プライベートでの異性関係が噂された(真偽はともかく)際に、一部のホロコーンとされるファンが強い拒否反応を示し、コメント欄が荒れたり、SNSで批判的な意見が飛び交ったりする、いわゆる「炎上」状態になった事例がありました。

こうした経緯もあり、運営側やVtuberさん自身も、ファン層(特にホロコーン)の意向に配慮し、異性とのコラボレーションに対しては慎重な姿勢を見せていた時期もあると言われています。ファンからの莫大なスーパーチャットやグッズ購入が、ホロライブの成長を支えた大きな要因の一つであることも事実であり、その主要な購買層であったユニコーンファンの意向を無視できなかった、という見方もあります。

しかし近年では、所属Vtuberさんたちの活動の幅も広がり、以前に比べると異性とのコラボ配信なども増えてきています。これに伴い、状況は少しずつ変化しているようですが、依然としてホロコーンの存在は、ホロライブという大きなコミュニティを語る上で意識される要素の一つとなっています。

ホロコーンって何?ホロライブ関係あるの?

「うん、ホロライブのユニコーン的ファンをそう呼ぶの。異性コラボで炎上したこともあるよ…

異性Vtuberとの絡みNG事例紹介

異性Vtuberとの絡みNG

ユニコーンファンは、推しの女性Vtuberが異性と関わることに対して、様々な形で「NG」という態度を示すことがあります。具体的にどのような行動が「NG」とされるのか、いくつか例を挙げてみましょう。

最も分かりやすいのが、「コラボ配信」に対する拒否反応です。推しが男性Vtuberと一緒にゲームをする、雑談をするといったコラボ配信が告知されただけで、「なぜ男とコラボするんだ」「見たくない」といった否定的なコメントがSNSや配信前のチャット欄に溢れることがあります。配信が始まっても、コラボ相手の男性Vtuberを批判したり、不快感を表明するコメントを続けたりするケースも見られます。

配信中に、コラボしていなくても「男性Vtuberの名前を出す」ことすら嫌がる人もいます。例えば、他の配信者の話題になった時に、たまたま男性Vtuberの名前を口にしただけで、「男の話はするな」といったコメントが付くことがあります。

SNS上での交流も対象になります。X(旧Twitter)などで、推しが男性Vtuberの投稿にリプライを送ったり、「いいね」を付けたりしただけで、「媚びている」「裏で繋がっているのでは」などと邪推し、批判するファンもいます。

さらにエスカレートすると、「配信外での交流」も問題視されます。プライベートで異性の友人と遊んだり、食事に行ったりしたことが何らかの形で(例えば、SNSの投稿や他の人の証言などから)発覚した場合、「ファンを裏切った」と感じ、激しい怒りや失望を示すことがあります。噂レベルの話であっても、過剰に反応してしまうケースも見られます。

場合によっては、ファンサービスとして行っている視聴者との交流の中で、相手が男性か女性か分からない視聴者に対して親しげに話しかけたことに対しても、不快感を示すユニコーンファンがいると言われています。これらの「NG」行動は、Vtuber本人を精神的に追い詰めたり、活動の自由を奪ったりすることに繋がりかねません。

男と話すだけでダメなの!?

中にはそれだけで怒っちゃう人もいるの。名前を出しただけでも反応することがあるくらい…

厄介ファンとしてのユニコーンの特徴

厄介ファンのユニコーン

ユニコーンファンの中には、その行き過ぎた言動によって、他のファンやVtuber自身から「厄介ファン」と見なされてしまう人々がいます。厄介ファンとされるユニコーンには、いくつかの特徴的な行動が見られます。

一つは、「過剰な干渉や指示」です。彼らは、自分が理想とするVtuber像を強く持っており、その理想から外れる行動を許せません。そのため、「〇〇(男性Vtuber)とはコラボしないでほしい」「もっとこういう配信をしてほしい」など、Vtuberの活動内容に口を出し、自分の思い通りにコントロールしようとします。まるで自分がプロデューサーであるかのように振る舞うため、「プロデューサー気取り」と揶揄されることもあります。

また、「コメント欄の荒らし行為」も典型的な特徴です。特に異性とのコラボ配信などの際には、否定的なコメントや誹謗中傷を執拗に書き込んだり、他の楽しんでいる視聴者に対して攻撃的な言葉を浴びせたりして、配信の雰囲気を著しく悪化させます。

スーパーチャット(スパチャ)を悪用するケースもあります。高額なスパチャに長文のメッセージを載せ、「なぜ男とコラボするのか説明してほしい」「最近の活動にはがっかりしている」といった、個人的な不満や要求(いわゆる「お気持ち表明」)を送りつけ、Vtuber本人や他の視聴者にプレッシャーを与えようとします。

些細な言動を「異性の匂わせだ」と決めつけて騒ぎ立てるのも、厄介ファンとされるユニコーンの特徴です。根拠のない憶測で他のファンを煽動したり、Vtuber本人を問い詰めたりします。さらに、自分と意見の違うファン、例えば異性コラボを肯定的に見ているファンに対して、SNSなどで攻撃的なリプライを送ることもあります。

これらの行動は、Vtuber本人を傷つけるだけでなく、ファンコミュニティ全体の雰囲気を悪くしてしまうため、「厄介」と見なされるのです。ただし、全てのユニコーンファンがこのような厄介な行動を取るわけではない、ということは理解しておく必要があります。

ユニコーンって全部が厄介なの?

一部の人が過激になってしまうの。理想を押し付けたり、コメントで荒らしたりすることも…

ユニコーン問題のコミュニティへの影響

ユニコーン問題の影響

ユニコーンファンの存在や、彼らの一部が見せる過激な行動は、単にVtuber個人を困らせるだけでなく、ファンコミュニティ全体にも様々な影響を及ぼしています。

最も直接的な影響は、「Vtuberの活動が制限されてしまう」ことです。ユニコーンファンからの批判や炎上を恐れて、Vtuber自身が異性とのコラボレーションを自主的に控えたり、発言内容に過度に気を遣ったりするようになることがあります。これにより、Vtuberが挑戦したい企画ができなくなったり、本来の魅力を発揮しにくくなったりする可能性があります。

また、「ファン同士の対立」も深刻な問題です。ユニコーン的な考え方を持つファンと、それを問題視するファン(例えば、「推しの自由を尊重すべき」「過剰な要求は迷惑だ」と考えるファン)との間で、SNSやコメント欄で激しい言い争いが起こることがあります。こうした対立は、コミュニティ全体の雰囲気を悪くし、居心地の悪いものにしてしまいます。

過激なファンの存在は、「新しいファンがコミュニティに入りにくくなる」という壁にもなり得ます。Vtuberに興味を持った人が、いざファンコミュニティを覗いてみたら、一部のファンが過剰な要求をしていたり、ファン同士でいがみ合っていたりするのを見て、「ここは怖い」「関わりたくない」と感じてしまい、ファンになるのをやめてしまうかもしれません。

さらに、Vtuber自身への「精神的な負担」も大きな影響です。執拗な批判や誹謗中傷に晒され続けることで、Vtuberが精神的に疲弊し、活動を休止したり、最悪の場合、引退を選んだりするケースも実際に起こっています。

そして、ユニコーン問題が過熱すると、建設的な話し合いができなくなりがちです。「ユニコーンは悪だ」「いや、古参ファンを大事にしろ」といった感情的なレッテル貼りが横行し、問題の本質を見失ってしまうこともあります。ユニコーン同士で集まり、自分たちの意見だけを肯定し合う「エコーチェンバー」と呼ばれる状態に陥ると、考えがますます偏り、過激化してしまう危険性も指摘されています。

「ファンの空気ってそんなに変わるの?

うん、対立が起きたりして新しい人が入りにくくなったり、推しが配信しづらくなったりもするよ

Vtuber側のユニコーン営業と対策

ユニコーン営業と対策

ユニコーンファンの存在は、Vtuberやその運営側にとっても無視できないものです。そのため、彼らを意識した活動戦略、いわゆる「ユニコーン営業」を行ったり、あるいは彼らによる問題行動への「対策」を講じたりするケースが見られます。

「ユニコーン営業」とは、主にユニコーンファン(やガチ恋勢)の支持を得ることを目的とした活動スタイルを指します。具体的には、配信中にファンに対して甘い言葉をかけたり、疑似恋愛的な雰囲気を演出したり、「ファンのみんなが一番大切」といったメッセージを強調したりします。意図的に異性Vtuberとの交流を避け、ファンが安心できるような状況を作ることも、この営業戦略の一環と言えるでしょう。こうした営業は、熱心なファンからのスーパーチャットやグッズ購入に繋がりやすく、短期的な収益増を見込める場合があります。

一方で、ユニコーンファンによる問題行動への対策も重要です。異性との関係について、変に隠すのではなく正直に話すことでファンの信頼を得ようとするVtuberもいれば、逆にプライベートな情報は一切明かさず、憶測を生まないように徹底するVtuberもいます。どちらが良いかは状況によりますが、ファンに対して「嘘をつく」ことは、信頼を大きく損なうため、最も避けるべき対応とされています。

炎上リスクを管理するために、コラボレーションする相手を同性に限定したり、普段から交流があり、ファンにも受け入れられている信頼できる相手に絞ったりすることもあります。また、配信中のコメント欄が荒らされるのを防ぐために、特定の単語を非表示にするフィルター機能を使ったり、コメントを監視・削除するモデレーターを配置したりする対策も一般的です。

度を超えた誹謗中傷や迷惑行為に対しては、Vtuberや運営側から直接注意喚起を行ったり、悪質な場合には法的措置も辞さないという毅然とした態度を示すこともあります。人気Vtuberの犬山たまきさんのように、ユニコーンファンの心理を分析・解説し、一定の理解を示しつつも、問題行動は許さないというスタンスを取る例も見られます。

ビジネス的な判断として、ユニコーンファン層からの収益に依存するのではなく、より多様なファン層を獲得するために、あえて異性コラボなどを増やし、活動の幅を広げるという戦略転換を図るVtuberや事務所も存在します。ユニコーン営業に頼ることは、活動の自由度を狭め、長期的に見ると他のファン層を遠ざけてしまうリスクも孕んでいるため、Vtuber側も難しい判断を迫られていると言えるでしょう。

ユニコーン営業ってわざとやってるの?

そういう面もあるよ。収益に繋がるけど、自由な活動がしにくくなるリスクもあるの

Vtuberのユニコーンとは?その意味から問題点までまとめ

  • Vtuberのユニコーンとは異性との交流を嫌う一部男性ファンを指す
  • 由来は処女の前でのみ大人しくなる伝説の生き物である
  • 推しに純粋さや処女性を過剰に求める心理が背景にある
  • Vtuber界隈で広く使われるネットミームとしても定着した
  • かつての「処女厨」とほぼ同じ意味合いで使われることが多い
  • 恋愛感情が必須の「ガチ恋」とは異なり、異性排除が主眼だ
  • ガチ恋とユニコーンの性質を併せ持つファンも存在する
  • 強い独占欲や理想像への固執がユニコーン心理の根底にある
  • アイドル的活動やガチ恋営業を行うVtuberに集まりやすい
  • ホロライブ所属Vtuberのユニコーンファンは「ホロコーン」と呼ばれる
  • 異性コラボやSNS交流、配信外での交流もNG対象となりうる
  • 過剰な干渉やコメント荒らしは厄介ファンとされる特徴だ
  • ユニコーン問題はVtuberの活動制限やファン対立を引き起こす
  • Vtuber側がユニコーン層を意識した営業を行うことがある
  • コメント管理や毅然とした対応がVtuber側の対策として挙げられる
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