Vtuberパーツ分けイラスト講座!描き方から依頼まで徹底解説

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Vtuberパーツ分けイラストの基礎知識

「vtuberのパーツ分けイラストってどうやるの?」「Live2Dモデルを作りたいけど、一枚絵のイラストからでもできるのかな?」そんな疑問をお持ちではないでしょうか。

この記事では、魅力的なVTuberになるために不可欠な、モデリング用イラストのパーツ分けについて、基本的な知識から実践的なテクニックまで詳しく解説します。パーツ分けのやり方はもちろん、気になるイラストサイズや、パーツをどのくらい細かく分ければ良いのか、特に重要な目、顔、体の分け方のコツ、さらには便利なテンプレートやパーツ分けPSDサンプルの見つけ方まで網羅しました。

もしかしたら、「Live2D用の一枚絵イラストの作り方が分からない」「パーツ分けを依頼したいけど相場はどのくらい?」といったお悩みも抱えているかもしれませんね。この記事を読めば、そんな疑問も解消され、あなたのVTuber活動がよりスムーズに、そしてクオリティ高くスタートできるはずです。さあ、一緒にパーツ分けイラストの世界を覗いてみましょう!

記事のポイント
  • Live2Dモデル用イラストと一枚絵の根本的な違いと特有の描き方
  • 目・顔・体など主要箇所の具体的なパーツ分け方法と適切な分割数
  • パーツ分けイラスト制作に必要なイラストサイズや便利なテンプレートの知識
  • パーツ分けイラストを外部へ依頼する際の相場感や注意すべき点
  • Live2D用イラストと一枚絵の違い
  • モデリング用イラストの考え方
  • 必須!イラストサイズと解像度
  • パーツ分けはどのくらいが適切?
  • パーツ分けPSDサンプルの見つけ方

Live2D用イラストと一枚絵の違い

Live2D用イラストと一枚絵の最も大きな違いは、Live2D用イラストが「あとで動かすこと」を大前提として描かれる点にあります。一枚絵は、それ自体で完成されたアート作品として、静止した状態で鑑賞されることを主な目的としています。例えば、ポスターやポストカードのようなものをイメージすると分かりやすいかもしれません。

これに対して、Live2D用イラストは、描かれたキャラクターがアニメのように滑らかに動くことを目指して制作されます。そのためには、髪の毛、顔、目、口、腕、脚といった各パーツを、プラモデルの部品のように個別に描く必要があります。これを「パーツ分け」と呼びます。Live2D Cubism のような専用ソフトを使い、これらのパーツを後から組み合わせて動きや表情を付与していくのです。

したがって、一枚絵では省略できたような、キャラクターが動いた際に見える可能性のある部分(例えば、髪に隠れた頭の後ろ側や、腕を上げたときに見える脇の部分など)も、Live2D用イラストではしっかりと描き込むことが求められます。この描き込みが不足していると、実際に動かした際に絵が途切れて見え、不自然な印象を与えてしまう可能性があるため注意が必要です。このように、Live2D用イラストの制作は、単なる作画技術だけでなく、完成後の「動き」を常に意識する立体的な思考が重要になると言えるでしょう。

一枚絵とLive2D用のイラストって、何が違うの?

Live2D用は“動かす前提”で描くから、隠れた部分もちゃんと描いておく必要があるんだよ。

モデリング用イラストの考え方

モデリング用イラスト

モデリング用イラストを描く際には、最終的にモデルを制作する「モデラー」の方が作業しやすく、かつイラストレーターの意図した通りのキャラクターに仕上げられるよう、いくつかのポイントを考慮することが大切です。なぜなら、イラストの設計次第で、モデリングの難易度や完成するモデルの品質が大きく変わってくるからです。

まず基本となるのが、適切な「レイヤー分け」です。お絵かきソフトでイラストを描く際、透明なシートを重ねるように使うレイヤー機能を活用し、動かしたい部品ごとにレイヤーを分けて描画します。このとき、レイヤー名も「前髪」「右目(閉じ)」「口(あ)」のように、どのパーツか一目で理解できる具体的な名称にすることが、後の作業効率を大きく向上させます。

次に、「パーツの分割の細かさ」も熟慮すべき点です。例えば腕を描く場合、一本のパーツとしてまとめるか、「肩」「上腕」「前腕」「手首」といった具合に細かく分割するかで、完成モデルの動きの滑らかさや表現の幅が異なります。キャラクターにさせたい動きが複雑であるほど、より細かなパーツ分割が必要になる傾向があります。

そして、「隠れる部分の描き込み」も忘れてはならない要素です。正面からは見えなくても、キャラクターが顔の向きを変えたり、髪が揺れたりした際に露出する可能性のある箇所、例えば耳の後ろや首の後部、衣服に隠れた襟元なども、きちんと描いておくことで、より自然な動きを実現できます。

最後に、目や耳、手足といった「左右対称のパーツ」の扱いです。基本的にはそれぞれ個別に描くことが推奨されます。デザインによっては片側を描いて反転コピーで対応できる場合もありますが、左右でデザインが微妙に異なる場合や、装飾品が付いている場合などは、両方とも丁寧に描く方が良いでしょう。実際に VTube Studio などで動かす際のイメージをモデラーと共有し、相談しながら進めるのが理想的です。これらの配慮が、クオリティの高いLive2Dモデル制作に繋がります。

モデリング用のイラストって、ただ分ければいいの?

ううん、モデラーさんが動かしやすいようにレイヤーの分け方や名前も工夫するんだよ。

必須!イラストサイズと解像度

イラストサイズと解像度

Live2Dモデル用のイラストを制作する上で、完成後のクオリティを左右する非常に重要な要素が、イラストの「サイズ」と「解像度」です。これらが不適切だと、せっかく魅力的に描けたキャラクターも、実際に動かした際にぼやけて見えたり、意図したよりも小さく表示されたりといった問題が生じかねません。

まず、「イラストサイズ」、つまりキャンバスの大きさについてです。Live2Dモデルは、配信画面で大きく表示されたり、顔の部分をアップで映したりする機会が多くあります。このとき、元のイラストサイズが小さいと、拡大処理によって画像のギザギザ(ジャギー)やぼやけが目立ってしまいます。これを避けるため、全身を描くモデルであれば、一般的に縦の長さが最低でも4000ピクセル、より高品質を目指すのであれば6000ピクセルから8000ピクセル程度を確保することが推奨されます。バストアップ(胸から上)のモデルであっても、3000ピクセル以上は欲しいところです。後からイラストを縮小するのは容易ですが、小さい画像をきれいに拡大するのは非常に難しいため、「大は小を兼ねる」の考え方で大きめに制作するのが基本となります。

次に「解像度」です。これは、1インチ(約2.54センチメートル)あたりにどれだけの点(ドット)で画像が構成されているかを示す数値で、「dpi(dots per inch)」という単位で表されます。Web表示が主だからといって低い解像度(例:72dpi)で制作してしまうと、パーツ分けの際に目を細かく描き込んだり、細部の色を調整したりといった精密な作業が困難になります。そのため、通常は300dpiから350dpi程度で制作することが推奨されています。この解像度であれば、CLIP STUDIO PAINT などのペイントソフトで細部を拡大編集する際も、画像の劣化を気にせず作業を進めやすいでしょう。

参考として、一般的な目安を以下の表にまとめます。

用途のイメージ おすすめのキャンバスサイズ(タテ) おすすめの解像度
高画質で全身を動かしたい! 6000~8000ピクセルくらい 350dpi
ふつうに全身を動かしたい 4000~5000ピクセルくらい 300dpi~350dpi
胸から上を中心に動かしたい 3000~4000ピクセルくらい 300dpi~350dpi

ただし、これはあくまで一般的な目安です。もしモデリングを依頼する場合は、事前にモデラーの方に推奨されるサイズと解像度を確認するのが最も確実な方法と言えます。

イラストのサイズって、そんなに重要なの?

すごく重要だよ!小さいと拡大したときにぼやけるから、最初から大きく描くのが基本なの。

パーツ分けはどのくらいが適切?

パーツ分け

Live2D用イラストを制作する際、「パーツ分けは、具体的にどの程度の細かさで行うのが適切なのか」という疑問は、多くの方が抱くポイントでしょう。結論から申し上げますと、パーツ分けの細かさに絶対的な「正解」というものは存在しません。そのVTuberにどのような動きをさせたいのか、どれほど豊かな表情を持たせたいのか、といった目的によって、最適なパーツの分割数は変動します。

基本的なパーツ分けの例としては、まず「髪の毛」が挙げられます。前髪、横髪(左右)、後ろ髪といった主要な部分に加え、アホ毛やリボンなどの装飾品も個別のパーツとして分けることが多いです。髪を細かく分けるほど、風になびくような自然で滑らかな動きを表現しやすくなります。次に「顔」のパーツとして、輪郭や耳(左右)があります。「目」は特に表現の幅を広げる重要な部分で、まぶた(上下)、まつ毛(上下、場合によっては目尻も)、白目、瞳、ハイライトなどを細かく分割するのが一般的です。「鼻」はデザインによって輪郭のみ、あるいは影も別パーツとすることがあります。「口」は上唇、下唇、口の中の空間に加え、笑顔や「あいうえお」といった母音の形など、複数の口の形状をパーツとして用意することで、自然なリップシンク(口パク)が可能になります。その他、「首」、「体(上半身、腕、下半身)」、そして服の袖やスカート、アクセサリーといった「装飾品」も、揺らしたい場合には個別にパーツ分けします。

例えば、人気VTuberの月ノ美兎さんや兎田ぺこらさんのように、非常に自然で多彩な動きを見せるモデルは、膨大な数のパーツが緻密に組み合わさってできています。

では、どの程度の細かさが「適切」なのでしょうか。これは、制作者が「何を最も重視するか」そして「制作に割けるリソース(時間や予算)」のバランスによって決まります。「とにかく滑らかに動かしたい、表情も豊かにしたい」という場合は、パーツを可能な限り細かく分けるのが理想です。しかし、これにはイラスト制作とモデリングの両方で多くの時間と手間が必要となり、もし外部に依頼するのであれば費用も高くなる傾向があります。一方で、「まずは基本的な動きができれば十分」ということであれば、パーツ数をある程度抑え、主要な部分(髪、顔、目、口、首、体など)の分割から始めるのも良いでしょう。

もしご自身でモデリングまで挑戦されるのであれば、最初はパーツ数を少なめに設定し、技術の習熟度に合わせて徐々に細かくしていく方法がおすすめです。外部に依頼する際には、予算や希望する動きのイメージをモデラーに明確に伝え、十分に相談しながらパーツの分割数を決定していくことが、満足のいくモデル制作への近道となるでしょう。

パーツって、細かく分けた方がいいのかな?

表情や動きを豊かにしたいなら、細かく分けた方がいいよ。でもバランスも大事!

パーツ分けPSDサンプルの見つけ方

パーツ分けPSDサンプル

「パーツ分けイラストの具体的な方法について、言葉での説明だけではなかなかイメージが掴みづらい」「実際のレイヤー構造はどのようになっているのか、実物を見てみたい」と感じることは、ごく自然なことです。そのような場合には、実際にプロフェッショナルが作成した「PSDサンプル」を参考にすることが、理解を深める上で非常に効果的です。PSDとは、Adobe Photoshop という高機能な画像編集ソフトで標準的に用いられるファイル形式のことで、レイヤー構造をそのまま保持できるため、パーツ分けされたイラストの構造を学ぶのに適しています。

では、こうしたPSDサンプルはどのようにして見つけることができるのでしょうか。いくつか代表的な方法をご紹介します。

一つ目の方法として、クリエイター向けのデジタルコンテンツマーケットプレイスを活用することが挙げられます。具体的には、nizima(ニジマ)BOOTH(ブース) といったプラットフォームです。これらのサイトでは、プロのイラストレーターやモデラーが制作したパーツ分け済みのイラストPSDデータが販売されていたり、時には無償で配布されていたりすることもあります。「Live2D モデル PSD」や「パーツ分け済み イラスト」といったキーワードで検索してみると、多くの作例に出会えるでしょう。

二つ目の方法として、イラストレーターやモデラー個人のSNSアカウントやウェブサイトを探索することが考えられます。X(旧Twitter)pixiv(ピクシブ) などのSNSで、「#Live2Dモデル依頼」や「#パーツ分け講座」といったハッシュタグを追うと、クリエイターが自身の作品のパーツ分けの様子を公開していたり、PSDの構造に関する有益な情報を発信していたりするのを見つけることができます。

三つ目に、Live2Dの開発元が提供する公式情報をチェックすることも有効です。Live2D公式サイト や、Live2D公式のYouTubeチャンネル には、モデル制作に関するチュートリアル動画や資料が豊富に用意されています。これらの公式リソースの中で、サンプルモデルのPSDデータが配布されていたり、パーツ分けの基本的な考え方について詳細な解説がなされていたりすることがあります。

さらに、憧れのVTuberが自身のモデルの制作過程(メイキング)を公開している場合、それも参考になることがあります。例えば、ご自身もイラスト制作を手掛けるVTuberのしぐれうい先生のように、制作の裏側を紹介してくれる方もいらっしゃいます。

これらのPSDサンプルを参考にする際の注意点として、著作権の尊重が挙げられます。他の方が作成したPSDデータは、あくまで自身の学習や理解を深めるために利用し、無断で再配布したり、模倣して自身の作品として公開したりする行為は絶対に行わないでください。ルールとマナーを守り、楽しくスキルアップを目指しましょう。

PSDサンプルってどこで探せばいいの?

nizimaとかBOOTHにあるよ!クリエイターさんのSNSでもよく公開されてるから見てみて!

vtuberパーツ分けイラスト実践テクニック

  • 一枚絵から始めるパーツ分けのやり方
  • 最重要!目・顔・体のパーツ分け方
  • 便利なパーツ分けテンプレートの活用
  • 効率アップ!パーツ分けのやり方とコツ
  • 依頼する際の相場と注意点

一枚絵から始めるパーツ分けのやり方

一枚絵からパーツ分け

「すでに完成している一枚絵があるんだけど、これをなんとかLive2Dモデルにできないかな?」そう考える人もいるかもしれませんね。結論から言うと、一枚絵からでもパーツ分けをしてLive2Dモデルを作ることは可能です。ただし、いくつかの工夫と注意点があります。

なぜなら、一枚絵はもともとパーツ分けを前提として描かれていないため、そのままでは動かすために必要な「かくれた部分」の絵が足りなかったり、パーツの境界線が他の部分と一体化していたりすることが多いからです。これをうまく処理していくことが、一枚絵からパーツ分けをする際のキモになります。

具体的なやり方としては、まず、お持ちの一枚絵をAdobe PhotoshopCLIP STUDIO PAINT のようなレイヤー機能を持つお絵かきソフトで開きます。そして、動かしたいパーツごとに、丁寧に選択範囲を作って切り出していく作業から始めます。例えば、前髪、顔のりんかく、右目、左目、口、首、胴体、右腕、左腕…といった具合です。

ここで一番たいへんなのが、「足りない部分を描き足す」作業です。例えば、前髪を切り出すと、その下にあるはずのおでこや頭の一部が描かれていないことが多いでしょう。腕を動かすためには、腕と胴体が重なっている部分や、服にかくれている肩のラインなどを描き足す必要があります。このとき、元の絵のタッチや色使いに合わせて、ちぐはぐにならないように自然に描き足す技術が求められます。元の絵の作者さんが自分であれば、タッチを合わせやすいかもしれませんが、他の人が描いた絵の場合は、かなり慎重な作業が必要になるでしょう。

メリットとしては、気に入っている既存のイラストを活かせるという点がいちばん大きいです。キャラクターのイメージがすでに固まっている場合、それを元に動くモデルを作れるのはうれしいですよね。

一方、デメリットとしては、やはり描き足しの手間と難易度が高いことです。また、もともと動かすことを想定していない構図の一枚絵だと、どうしても動きに制限が出てしまったり、パーツ分けが非常に複雑になったりすることもあります。例えば、腕を大きく広げているポーズの一枚絵から、腕を体の前に持ってくる動きを作るのは、かなりの描き足しと調整が必要になるでしょう。

もし一枚絵からのパーツ分けに挑戦する場合は、まずはLive2D Cubism の公式サイトなどにあるチュートリアルを参考に、比較的シンプルな絵柄や構図のものから試してみるのがおすすめです。

完成した一枚絵って、Live2Dにできるの?

できるけど、隠れてる部分を描き足したり、パーツ分けする手間があるから注意が必要だよ。

最重要!目・顔・体のパーツ分け方

目・顔・体のパーツ分け

Live2Dモデルでキャラクターの生き生きとした表情や動きを作り出すためには、特に「目」「顔」「体」のパーツ分けが非常に重要になります。これらのパーツの分け方ひとつで、モデルの表現力が大きく変わってくると言っても過言ではありません。

まず「目」のパーツ分けについてお話しします。目はキャラクターの感情を最も豊かに表現する部分です。基本的な分け方としては、「まつ毛(上・下)」「まぶた(上・下、瞳と重なる部分も意識して)」「白目」「瞳(ハイライトも別にする場合が多いです)」といった要素に分けます。さらに、笑顔の目、驚いた目、ジト目など、表現したい表情に合わせて、まぶたの形を複数用意することもあります。例えば、VTuberの戌神ころねさんのような表情豊かなキャラクターは、目のパーツが非常に細かく作りこまれています。細かく分けるほど、まばたきや視線の動きが滑らかになり、多彩な感情表現が可能になります。

次に「顔」のパーツ分けです。顔の基本的なパーツは「りんかく」「耳(左右)」です。顔のりんかくは、髪の毛や首との境界線を意識して、きれいに分けることが大切です。耳は、髪の毛でかくれる場合でも、動いたときに見えることを想定して、きちんと形を描いておきましょう。また、顔の向きを上下左右に変える(いわゆる「顔XY」の動き)ことを考えると、りんかくだけでなく、顔の内部の影なども別パーツにしておくと、より立体的な表現がしやすくなります。

そして「体」のパーツ分けです。体は動きの基本となる部分で、分け方によってキャラクターのポーズの自然さが大きく左右されます。「首」「胴体(胸、腰などでさらに分けることも)」「腕(肩、上腕、前腕、手首、手のひら、指一本一本を分けることもあります)」「脚(太もも、すね、足首、足先)」といったように分割します。服を着ている場合は、服のしわや装飾品(リボンやフリルなど)も、揺らしたい部分ごとにパーツ分けすると、より動きに深みが出ます。例えば、宝鐘マリン船長のように、衣装の細かい部分まで揺れるキャラクターは、体のパーツ分けも非常に丁寧に行われています。

これらのパーツ分けをする際の注意点としては、各パーツの「つなぎ目」を意識することです。例えば、首と顔、腕と胴体など、パーツ同士が重なり合う部分は、動いたときにとぎれたり、不自然な隙間ができたりしないように、少し大きめに描いておく(「のりしろ」を作るようなイメージです)のがコツです。また、レイヤーの名前も「右目_まつ毛上」「首」のように、どの部分のどのパーツなのかが一目でわかるように、整理してつけておくと、後のモデリング作業が格段にスムーズになります。

やっぱり目って一番大事なの?

うん、感情が出る部分だから、まつ毛とか瞳も細かく分けると表現力がグッと上がるんだよ。

便利なパーツ分けテンプレートの活用

パーツ分けテンプレート

Live2D用のイラスト、特にパーツ分けを初めて行う人にとって、「どこをどういうふうに分けたらいいの?」というのは大きな壁に感じるかもしれません。そんなときにとても役立つのが、「パーツ分けテンプレート」です。これは、Live2Dモデルを作る上で一般的によく使われるパーツの分け方やレイヤー構造が、あらかじめ用意されている雛形(ひながた)のようなものだと考えてください。

このテンプレートを利用する大きなメリットは、まず「作業の効率化」です。いちから自分でレイヤーを作り、名前をつけ、どのパーツをどこに配置するかを考える手間が大幅に省けます。テンプレートには、例えば「前髪」「横髪」「後ろ髪」「顔のりんかく」「右目」「左目」…といったように、基本的なパーツのレイヤーがあらかじめフォルダ分けされて用意されていることが多いです。これに従って、対応する部分に自分のイラストを描き込んでいけば、自然とパーツ分けされたイラストが完成に近づいていきます。

また、「パーツ分けの漏れを防げる」というのも利点です。特に初心者のうちは、どのパーツを分けるべきか、どこまで細かく分けるべきか判断に迷うことがあります。テンプレートを使えば、最低限必要なパーツや、一般的に分けておくと良いパーツが網羅されているため、「あ、このパーツ分け忘れてた!」というミスを減らすことができます。

パーツ分けテンプレートは、インターネット上で検索すると、イラストレーターさんやモデラーさんが配布してくれていたり、BOOTH のようなクリエイター向けマーケットプレイスで販売されていたりします。「Live2D パーツ分け テンプレート」「PSD テンプレート Live2D」といったキーワードで探してみると見つかるでしょう。中には、nizima のようなLive2D公式のマーケットプレイスで、高品質なテンプレートが提供されていることもあります。

テンプレートを利用する際の注意点としては、必ずしもそのテンプレートが自分の作りたいキャラクターや表現したい動きに完全に合致するとは限らない、ということです。テンプレートはあくまで基本的なガイドラインとして活用し、自分のキャラクターのデザインや、させたい動きに合わせて、パーツを追加したり、分け方を調整したりする柔軟性も大切です。例えば、ケモミミのキャラクターを作りたいのに、テンプレートに耳のパーツが人間用しかなければ、自分でケモミミ用のパーツレイヤーを追加する必要があります。

このように言うと、テンプレートは万能ではないように聞こえるかもしれませんが、パーツ分けの基本的な考え方や、一般的なレイヤー構造を学ぶための素晴らしい教材にもなります。最初はテンプレートを参考にしながら、だんだんと自分なりのパーツ分けのスタイルを確立していくのが良いでしょう。

テンプレートって使った方がいいの?

初めてなら特におすすめ!パーツの漏れも減らせるし、作業の流れもわかりやすくなるよ!

効率アップ!パーツ分けのやり方とコツ

パーツ分けのやり方とコツ

Live2Dモデル用のパーツ分けイラスト制作は、細かな作業が多く、慣れないうちは時間がかかってしまうかもしれません。しかし、いくつかのコツを押さえておくことで、作業効率をぐっと上げることができます。ここでは、そのための具体的なやり方や考え方をご紹介します。

まず、効率化の第一歩として、「作業計画を立てる」ことが挙げられます。いきなり細部から描き始めるのではなく、まずキャラクター全体のデザインを固め、どのパーツをどの程度細かく分けるか、大まかな設計図を頭の中か紙に描いてみましょう。どのパーツから手をつけるか、おおよ年の順番を決めておくだけでも、迷いが減り、スムーズに作業を進めやすくなります。

次に、お絵かきソフトの機能を最大限に活用することです。例えば、Adobe PhotoshopCLIP STUDIO PAINT には、選択範囲の作成、レイヤーの整理、左右対称の描画など、パーツ分けに役立つ機能がたくさん搭載されています。ショートカットキーを覚えたり、レイヤーフォルダをうまく使って関連するパーツ(例:右目のまつ毛、白目、瞳を「右目」フォルダにまとめるなど)を整理したりするだけでも、作業スピードは格段に向上します。特に、同じような形のパーツが左右にある場合(目、耳、腕など)、片方を作ってから反転コピーし、微調整を加えるといった手法も有効です。

そして、「こまめに保存する」習慣も非常に大切です。パーツ分けは細かな作業の連続であり、時には予期せぬトラブルでソフトが終了してしまうこともあり得ます。せっかく進めた作業が無駄にならないよう、作業の区切りごとや、大きな変更を加えたタイミングで、こまめにファイルを保存するように心がけましょう。「Ctrl + S」(または Command + S)を指が覚えるくらいにしておくと安心です。

また、パーツ同士の「のりしろ」を意識して描くことも、結果的に手戻りを減らし、効率化につながります。前述の通り、パーツが動いたときに切れ目が見えてしまわないように、重なり合う部分は少し大きめに描いておくのが基本です。これを最初から意識しておけば、後で「あ、ここの描き込みが足りない!」と修正する手間を省けます。

もし可能であれば、参照できる資料を常に手元に置いておくのも良い方法です。他のクリエイターさんが公開しているパーツ分けの例や、Live2D Creative Studio が提供しているチュートリアルなどを参考に、自分の作業と比較しながら進めることで、迷ったときのヒントが得られたり、より良い分け方に気づいたりすることがあります。

最後に、集中力を保つ工夫も大切です。長時間の作業は疲労がたまり、ミスも起きやすくなります。適度に休憩を挟み、目を休ませたり、気分転換をしたりしながら、無理のないペースで進めることが、結果として質の高いパーツ分けイラストを効率よく完成させることにつながるでしょう。

作業にすごく時間かかるんだけど、コツってあるの?

レイヤー整理とショートカットの活用、あと“のりしろ”を描くのも効率アップのポイントだよ!

依頼する際の相場と注意点

依頼する際の相場

Live2Dモデル用のパーツ分けイラストを自分で描くのが難しい、あるいはもっとクオリティの高いものを求めたい、という場合には、プロのイラストレーターさんに依頼するという選択肢があります。しかし、初めて依頼するとなると、「だいたいいくらかかるの?」「どんなことに気をつけたらいいの?」と不安に思うことも多いでしょう。

まず、パーツ分けイラストの依頼相場についてです。これは、イラストレーターさんの実績や知名度、イラストの描き込み量、パーツ分けの細かさ、キャラクターデザインを含むかどうか、著作権の譲渡の有無など、様々な要因によって大きく変動します。一概に「いくら」と言うのは難しいですが、一般的な目安としては、個人で活動されているイラストレーターさんであれば、数万円から十数万円程度がひとつのラインになることが多いようです。実績のある人気イラストレーターさんや、企業に依頼する場合は、さらに高額になることもあります。

以下の表は、あくまで大まかな目安として参考にしてください。

依頼内容のイメージ 相場の目安(個人クリエイターの場合) 備考
シンプルなデザイン・パーツ分け少なめ・キャラデザなし 3万円~8万円程度 腰上モデルなど
標準的なデザイン・パーツ分け普通・キャラデザなし 8万円~15万円程度 全身モデル、ある程度の衣装の複雑さ
複雑なデザイン・パーツ分け多め・キャラデザ含む 15万円~30万円以上 細かい装飾、特殊な衣装、表情差分多数、著作権譲渡などを含む場合が多い

この相場は、あくまでイラスト制作のみの場合です。Live2Dモデリング(実際に動かす作業)は別途費用がかかるのが一般的ですので、その点も理解しておく必要があります。

次に、依頼する際の注意点です。スムーズな取引と満足のいく成果物を得るために、以下の点を心がけると良いでしょう。

  1. 依頼内容を具体的に伝えること: どんなキャラクターで、どんな雰囲気のイラストにしてほしいのか、どんな動きをさせたいのか(それによってパーツ分けの細かさが変わるため)、参考になる画像や資料があれば一緒に提示しましょう。イメージのすり合わせが、最も重要です。
  2. 予算と納期を明確に伝えること: 最初に予算の上限と、いつまでに完成させてほしいかという希望納期を伝え、イラストレーターさんと相談しましょう。
  3. ポートフォリオを確認すること: イラストレーターさんの過去の作品(ポートフォリオ)を見て、自分の好みの絵柄か、Live2D用のイラスト制作実績があるかなどを確認します。特に、パーツ分けイラストの実績があるかどうかは重要なポイントです。
  4. 契約内容をしっかり確認すること: 料金、納期、修正回数の上限、著作権の取り扱い(商用利用の可否、著作権譲渡の有無など)といった契約内容は、トラブルを避けるために、書面やメールなど記録に残る形でしっかり確認しましょう。ココナラSKIMA のようなスキルマーケットを利用する場合は、プラットフォームの規約もよく読んでおくことが大切です。
  5. コミュニケーションを大切にすること: 制作の途中で進捗を確認したり、不明な点があれば遠慮なく質問したりするなど、イラストレーターさんとこまめにコミュニケーションを取ることで、より良いものが生まれます。

パーツ分けイラストの依頼は、決して安い買い物ではありません。だからこそ、信頼できるイラストレーターさんを見つけ、しっかりと話し合いながら進めていくことが、VTuber活動の第一歩を成功させるための鍵となるでしょう。

パーツ分けの依頼っていくらくらいかかるの?

内容によるけど、数万円から十万円以上のこともあるよ。相場と著作権の扱いは要チェック!

vtuberパーツ分けイラスト制作の要点まとめ

  • Live2D用イラストは動かす前提で各パーツを個別に描く必要がある
  • 一枚絵とは異なり、動いた際に見える部分の描写が不可欠である
  • モデラーが作業しやすいレイヤー分けと具体的な命名が求められる
  • キャラクターにさせたい動きに応じてパーツの分割数を調整するべきだ
  • 左右対称のパーツも、デザインによっては個別に作画することが望ましい
  • イラストサイズは配信時の拡大を想定し、縦4000ピクセル以上を推奨する
  • 解像度は細部の編集作業のため300dpiから350dpiが一般的である
  • 髪、顔、目、口、体、装飾品などが主要なパーツ分けの対象となる
  • パーツ分けの細かさは予算や求めるクオリティによって決定される
  • PSDサンプルはnizimaやBOOTH、クリエイターのXなどで探せる
  • 一枚絵からでもパーツ分けは可能だが、不足部分の描き足し作業が発生する
  • 特に目、顔、体のパーツ分けはキャラクターの表情や動きの豊かさに直結する
  • パーツ同士が重なる部分(のりしろ)を意識して描くことが自然な動きに繋がる
  • パーツ分けテンプレートは作業効率化に貢献するが、キャラクターに合わせた調整も重要だ
  • イラスト制作を依頼する際は、予算、納期、著作権の取り扱いなどを事前に明確にすることが肝心だ
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